はじめようエコライフ

宮崎日日新聞・エコノミー水曜日欄 (はじめようエコライフ)2015年7月〜2016年1月
7月 1日:環境の負荷考えて
「身近な活動」(詠田)
8日:つけっ放し防いで節電
「センサーライト」(鈴木)
15日:種類や量を把握する
「家庭から出るごみ」(宮路)
22日:生ごみ減へたい肥化図る
「コンポスト容器」(深田)
29日:バッグや福再利用次々
「不用の布」(宮田)
8月 5日:自由研究に体験講座も
「夏休み工作」(詠田)
12日:リユースして断捨離「洋服のおさがり」(日栄子) 19日:発想転換で雨水も重宝
「もったいない」(森末
26日:「二重袋」は作業に支障
「ごみ分別は正しく!」(日信行)
9月 2日:ひと手間で賢い消費者
「リサイクルそしてリユース」(今井)
9日:アンペアを下げて節約
「電気の契約」(小森)
16日:生活見直し消費量減
「エネルギー」(宮田)
23日:補助金使い温水器設置
「お日さまの熱利用」(鈴木)
30日:調理や保存法を工夫
「食から考える」(詠田)
10月 7日:燃費向上と交通安全
「エコドライブ」(小森)
14日:消費社会に流されず
「私の歩み」上 (内田)
21日:消費社会に流されず
「私の歩み」下 (内田)
28日:楽しく学ぶごみの減量
「子どもたちの反応」上 (詠田)
11月 4日:楽しく学ぶごみの減量
「子どもたちの反応」下 (詠田)
11日:ゲーム行いごみへ理解
「こども5R学習事業」上(詠田)
18日:ごみ減考える機会に
「こども5R学習事業」下(詠田)
25日:環境先進国研修を還元
「ドイツでの学び」上 (詠田)
12月 2日:剪定枝発酵たい肥に利用
「ドイツでの学び」下 (鈴木)
9日:ごみ減らす暮らし徹底
「ドイツの生活」(森末)
16日:食後のごみなくす工夫
「最先端ドイツ」(日栄子)
23日:油汚れにもせっけんを
「ラクラクお掃除」(森末)
30日:環境に良い商品選び
「買い物時には」(詠田)
1月 6日:意識改革をねばり強く
「環境教育は学校から」(日信行)
13日:昆虫の変化人間関わり
「アサギマダラから考える」(笹岡康則)
20日:生物集まるビオトープ
「トンボ池」(金丸文昭)
27日:環境保全の情報を提供
「生涯継続」(詠田)

「身近な活動」
今、地球上で大きな問題となっている温暖化。1988(昭和63)年に世界気象機関や国連環境計画により設立された組織「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」が、「第5次評価報告書」で、温暖化の原因の95%が、私たち人間の活動の影響によるものと発表しています。しかし、この温暖化についてどれほどの人が認識しているでしょうか。
「もっと先のこと」と思っていませんか。「もっと先」には、子どもや孫たちがいることは確かです。その人達が生きる地球は、今の私たちによって左右されるといっても過言ではないのです。温暖化の原因が、わたしたち人間の活動の影響によるなら、逆に、私たちには温暖化を防止する取り組みができるのです。
 環境問題に取り組む時によrく言われる「Think Globally Act Locally(考えは地球規模で行動は足元から)」。これから、誰でもできる「身近なエコ」について、お伝えしていきます。
私の実践しているエコは、お弁当やプリンなどを買う時、「お箸は、いりません」「プラスチックスプーンは、いりません」と答えること。だって、ステキな箸やおしゃれなスプーンって、どこの家庭にもあるからです。
「洗うことで水を汚すのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、環境への負荷は、プラスチックスプーンを使う方が大きいのです。ごみに出すには、汚れたままでは駄目ですし、リサイクルにもエネルギーを使い、環境にも負荷を与えます。環境に良いと思っていることも、負荷を与えていることは結構多いのです。
例えば「レジ袋」もそうです。便利で、特に、生ごみの内袋としての再利用が多いのですが、結局は、ごみとして廃棄され、燃やされています。日本人1人あたり、1年間のレジ袋使用量は、300枚と言われています。毎日の買い物でレジ袋を断ることで、62gの二酸化炭素が削減されます。”たかがレジ袋!されどレジ袋!”ですね。
詠田トキ子 一覧へ
「センサーライト」 暑い夏がやってきます。既にわが家では、クーラーを使用しない方針で、クーラーの電源プラグを外しています。また、各種電灯のスイッチは、こまめにオン・オフして、節電に努めています。
 そして、さらなる節電を進めるため、住まいの真ん中を通る廊下を照らす電灯の使用をやめ、「卓上センサーライト」を2個、廊下の壁際に配置しました。
 この卓上センサーライトは、動くものの気配を感知すると、自動的にスイッチが入りライトがつくというものです。また、一定時間を経過すると、自動的にライトが消えるという仕組みになっています。電源は、単三乾電池3本で、相当な期間稼働します。
 住まいの廊下天井にある電灯は、用事のある部屋以外の廊下も明々と照らします。用事のある部屋までの廊下に明かりがあればよいので、この卓上センサーライトで、十分役割を果たすことが可能です。また、廊下天井にある電灯は、これまで、うっかりつけっ放しのままということも多かったのです。
 こうした無駄な電力消費は、年間にするとかなりの量になります。このセンサーライトは、最初に購入費用と乾電池代はかかりますが、すぐに元がとれると思います。ささやかですが、確実に節電につながるのではないでしょうか。このセンサーライトを玄関の外側にも設置すると、省エネだけでなく防犯などにも役立つのではと思います。
鈴木莞爾 一覧へ
「家庭から出るごみ」
 皆さんの家庭では、毎日どのようなごみが、どのくらい出ているか―、考えたことがありますか?
 家庭から出るごみの種類は一般的に、燃やせるごみ、燃やせないごみ、資源物の3種類に分けることができます。このほか、粗大ごみ、家電品などもありますね。このように私たちが生活する上で、ごみは必ず出ます。
出てきたごみは、回収されて燃やされたり、埋め立てられたり、資源として再利用されたりして、片付けられていることはご存じだと思います。
 ではこのごみ=A私たちのところには、どのようにやって来るのでしょう。
 例えば、食品類をスーパーなどで買うと、野菜、肉、魚などほとんどがトレーに入っています。トレー入りは、ラップで包まれており、また肉についてはスポンジが敷いてあるものもありますね。当然ながら、買い物は必要ですし、しなくてはなりません。ただ、どうしてもごみになるようなものも一緒に付いてくるのです。
 では1カ月で、どのくらいのごみが出ているか調べてみませんか?
 まず、毎日の生活の中で、どのようなごみがどのくらい出ているかを知ることから始めましょう。買い物をしたら、トレー、ラップ、牛乳パック、ペットボトル、空き缶、お菓子の空き袋や空き箱…など、ごみとして捨てているものの種類と個数を数え、表にします。これを買い物ごとに続けて、1週間、2週間、1カ月と集計していきます。
 すると、家庭内から出ていたごみについて内容が把握できて、同時に減らせる部分も見えてきませんか。そこから、どうすればごみを減らせるかを考えていくのです。
 ごみを減らすことは、資源の無駄遣いをなくすとともに、環境への負荷を減らすことにもつながっています。ちなみに宮崎市では、ごみを片付けるための費用が、1日1000万円も掛かっているそうです。
 ごみを減らすためのアイデア。さて、あなたはすてきなアイデアをいくつ思いつきましたか?
宮路康久 一覧へ
「コンポスト容器」  前回と重なりますが、身近な温暖化防止の一つに、家庭から出すごみの減量があります。特に、台所から出る生ごみを減らす効果は大きいです。燃やせるごみのうち約4割は生ごみ。そのうちの約8割が水分≠セそうです。生ごみの水切りをして水分を減らすことで、臭い防止とごみ減量・CO2削減に役立ちます。さらに良い方法としてコンポスト容器≠フ活用を提案します。
 コンポスト容器に生ごみ、ぬか等を交互に入れると、微生物や菌などの作用により発酵し堆肥化します。これは有機肥料としてそのまま使えます。私の場合、庭の果樹の近くに60a〜80aの深さの穴を掘り、コンポスト容器を設置。生ごみと雑草や土を交互に入れ堆肥化し、ある程度の量になったら、コンポスト容器を引き抜き、隣に新しい穴を掘って再び設置しています。 アパートやマンションに住む人には、室内用生ごみ処理容器や電動生ごみ処理機等があります。購入については、各市町村担当課で良いアドバイスがもらえます。宮崎市の場合、環境業務課に相談して、条件を満たすと、写真のようなコンポスト容器を無料で支給しています。これらを利用して、生ごみゼロに挑戦してはいかがでしょうか。
 人間の社会活動が原因だと言われる地球温暖化。少しでも和らげるため、子どもたちの将来へツケ≠回さないため、できることから取り組んでいきましょう。
深田勝廣 一覧へ
「不用の布」  私は、古くなった和服や洋服などのリフォームをよくします。ネクタイでバックを作ったり、紳士物のジャンパー上下や和服で、婦人物のスーツなどを作ったりして着用しています。体形が若いころからあまり変わっていないので、昔買ったものは、少し今風にアレンジして着用します。愛着があるし、身体になじんで着やすいので、ついつい手を通してしまいます。ネクタイなどで作ったバックは、自分でも愛用しますが、差し上げることも多々。大変喜んでいただいています。
 身近にある端切れや古布は、巾着袋にしてバザーなどに寄付をしています。使えなくなった傘の布で作ると、撥水(はっすい)効果もあり、張りがあるので出来上がりもしっかりとしています。
 傘の布の袋作りは、まず、布を骨から外します。このとき取り付けてある糸を、生地を傷めないよう注意しながら、丁寧に外しましょう。この作業が結構大変ですが、出来上がりを想像しながら、慌てずゆっくり外していくと楽しいですよ。外した布は、きれいに洗います。洗剤を少しつけて洗うと、汚れがよく落ちます。きれいに乾かしている間、どんなバックにするかあれこれ考えるだけで、ワクワクしますね。
 写真は、壊れて使用できなくなった知人の晴雨兼用の傘をいただいて手提げ袋にました。レースも付いて、思った以上にかわいいバッグになりました。
宮田スミ子 一覧へ
「夏休み工作」 夏休みが始まって、エコの会が運営を受諾している県立図書館1階の「みんなのエコひろば(県環境情報センター)」にある木のおもちゃコーナー≠ノは、連日大勢の子どもたちが来ています。
 同センターでは、県内のさまざまな団体の学習会や観察会などに講師を派遣し、エコチャレンジ施設の環境保全の取り組みの支援やアドバイス、環境に関する相談、学校などでの環境学習などを行っており、体験講座も開催しています。
 夏休みといえば楽しいことも宿題もいっぱい。センター職員は、県内の図書館や児童館などに出向き、リサイクル工作などの体験講座を開催しています。牛乳パックで作る「飛び出すヘビ」や「万華鏡」は、比較的簡単に作れるので、自由研究としても人気があります。今回は少し珍しい工作に挑戦しましょう。
 不要になったポスターやカレンダーなど厚手の紙8枚とリボン2本、ストローを5_の長さに切ったもの14個を準備します。紙は幅を同じにし、長さを変えた長方形に。できるだけ同じ直径の筒状に丸め、8本作りましょう。リボンを輪っか状にし、ストローに通した物を二つ作ります。写真のようにストローで区切られた間に筒を入れます。それをワインのコルク栓に竹串を差し込んで作ったたたき棒≠ナたたいて、ドレミファソラシドの音に筒をカットしながら調整。木琴の紙版で「ブロッケン」の完成です。
詠田トキ子 一覧へ
「洋服のおさがり」
 ここ10年くらい、私の洋服のほとんどはおさがりです。ジャケット、シャツ、ズボン、スカート、スーツにワンピース、そしてコートまでも。クロゼットの中はそんなおさがりの洋服が占領しています。
 「あら! いい服着てるわね〜」とか「よく似合ってるわね〜」とか言われる私のファッションは、おさがり服のコーディネートです。基本的に頂いた物は、全て着るようにしています。自分の好みでは選ばないような物でも、着てみると意外と似合って着心地の良いこともあるのです。派手好きな私ですが、地味な物もしっくり合うような年齢になったのかな―と思うことも。
 おさがりをアピールしている私の元には、友人知人から次から次へとおさがりが届き、サイズの合わない物は、別の友人におさがりして喜ばれています。二重のおさがりだけど、合理的ですよ。
 すてきなロングスカートを頂いて喜んだけれど、ちょっと太めの私にはウエストがきつくて入りません。悩んだ末、ヒップラインがウエストにくるようにリメーク。すると、よりすてきなスカートに変身しました。リメークに使う裁縫道具は、三十数年前、息子が小学生時代に使っていた物です。ひとつひとつを宝物のように大事に使っています。
 物を繰り返し大切に使うことをリユース≠ニ言います。私が子どもだった頃は、洋服、学用品などのおさがりは当たり前のことで、大事に使ってまた次の人へというサイクルができていました。子どもを育てるようになっても、おさがりを大事に活用していました。一口におさがりと言っても、人にあげる物なので、それなりにちゃんと使える良い品が届きますし、渡すようにします。
 もちろん着ないと思う服は、断捨離も考慮。所属する「さんさんクラブ(高齢者クラブ)」の資源物集団回収に出し、少額ですがクラブの資金にもなっています。これからもおさがりの洋服との出会いにワクワクしながら、身近なエコ活動に取り組みたいと思います。
日高栄子 一覧へ
「もったいない」  私のエコライフの原点は、もったいない!%常生活の中には、たくさんのもったいないがあります。
 一つは「雨水」。わが家では、雨水をためて大事に利用しています。今年はうんざりするほどの長雨でしたが、晴天が続くと、とっても有り難い水となります。雨上がりには、たまった雨水を思いっ切り使って、玄関のポーチを掃除。ガーデニングの好きの私は、水やりはもちろん、植木鉢や道具洗いにと重宝しています。
 わが家にある8本の配管のうち、1本を雨水タンク300gに接続しています。オーバーフロー分は、プラスチックのバケツや発泡スチロールにため、約400gが集まります。庭仕事で水道水を使うのは、年間で10日間ぐらい。晴れの日が続いているような時も、意外と夜間などに雨が降っているのでしょうね。年に1回はタンク掃除をしたいのですが、なかなか空になりません。
 次のもったいないは「生ゴミと剪定(せんてい)枝、雑草」。わが家のコンポスト容器≠ヘ手作り。木製のオリジナルコンポスト容器に花の終わった鉢物の土と剪定枝、生ゴミに米ぬかを加えよく混ぜた物を入れておくと、4、5日で堆肥に生まれ変わります。捨てればただのゴミですが、もったいない≠ナわが家の庭の花や野菜は立派に成長しています。一石何鳥?
 試してみませんか? 「もったいない!」。
森末富子 一覧へ
「ごみ分別は正しく!」  宮崎市には、自治会組織を主体として、地域の環境美化やごみの減量化、再資源化などに取り組む「分別大使」という制度があります。これはフランスの「選別大使」を参考に取り入れた制度です。各自治会より2人程度を選出登録し、ごみの正しい分別や出し方の指導啓発、集積所の清潔保持、地域でのごみ問題の把握や市に対する意見提案などを行っています。
 現在、登録者数は1260人を超え、各地域で環境美化に大きく貢献しています。分別大使研修会でたびたび議題にあがるのが、「ごみ出しのルールを守らない人が多い」ということです。「資源物」に他のごみ等が混入していると「混合ごみ」として収集されません。
 特に気をつけてほしいのは、プラ資源などを入れた小袋をさらに大きな袋に入れる「二重袋」でのごみ出しです。二重袋が収集されると、機械で大きな袋を破り、中身を取り出し、手選別で異物を取り除く作業工程の中で、小袋は作業する人がカッターナイフで破ります。このように二重袋は分別作業にとって大きな支障をきたしています。
 「資源表示」を確認し、正しく分別することや、汚れたプラスチック製容器類は必ず内容物の汚れを落とし、水気を切って出しましょう。ごみは目の前から無くなった後も、多くの作業工程を経て処理されています。
 ちなみに宮崎県民一人当たりのごみ処理経費は、平成24年度で、1万439円となっています。
日信行 一覧へ
「リサイクルそしてリユース」
 私は、宮崎市の委嘱を受けて「ごみ減量アドバイザー」を務めています。自治会などの「ごみ減量説明会」に出向き、ごみの出し方、減らし方などについて説明をします。それでは、ごみ減量説明会でのさわりを含め一席。
 容器包装類とは、商品を入れたり、包んだりしているものです。例えば、プラスチックの歯磨き粉のチューブやマヨネーズの容器などは、きれいに使い切ることはなかなか難しいものです。どちらもハサミで胴体を切ってみましょう。歯磨き粉のチューブの中には、まだ磨き粉が残っています。歯ブラシでしっかりぬぐい取って使います。マヨネーズの容器も同じです。刻んだキュウリを入れて混ぜると、サラダが一品出来上がり。最後は、不要になった布でふき取り、資源として出します。
 容器包装類はリサイクルが定められていますので何らかのマークが付いていますが、なかにはマークの付いていないものもあります。雨の日に新聞が入ってくるビニール袋やレジ袋などもマークはついていませんが資源物です。
 なぜリサイクルするのでしょうか。
 容器包装類のほとんどが石油を原料とするプラスチック類からできています。石油は有限の資源で、いずれ枯渇するといわれています。原材料として利用できるものは、再生利用することにより、資源とエネルギーの節約にもなります。いま、石油の恩恵を受けている私たちが、将来まで使えるようにきちんとリサイクルしたいですね。
 さらに、リユース(再使用)も大事な取り組みです。例えば、手軽に買える缶ビールのアルミ缶。アルミはボーキサイトが原料で、アルミ鋼にするには多くの電気を使います。その点瓶ビールは何度でも使用できるリユースの王様です。酒屋さんに空き瓶を持って行くとデポジットと言って大瓶で5円、一升瓶で10円戻ってきます。運ぶのに重くて大変ですが―。
 一手間はかかりますが、資源を大事に使う賢い消費者を目指しましょう。
今井泰子 一覧へ
「電気の契約」  家庭の電気契約、何アンペアかご存じですか?
 検針票に契約アンペア数が表示してありますが、分からない人はブレーカー(正式名称はリミッター)スイッチの色を見てください。赤が15A、黄が20A、その上は10Aごとに緑、茶、青、白と色分けされています。
 高度成長期くらいから、ブレーカーが落ちるたびに契約アンペア数を増やしていたわが家は、最大60Aまで上げていました。その後50Aに下げたものの、長い間その契約で生活していました。
 宮崎に移住してきた友人から「住んでいる官舎が20Aだったから、そのまま使っている」と話を聞き、不便ではないか質問しました。「ブレーカーが落ちたのは、エアコンと電子レンジを同時に使ったときだけ。ブレーカーのスイッチを上げるだけだから不便はない」と言っていたのです。
 ブレーカーが落ちる仕組みを利用すれば節電になるのでは…と、子供たちも独立し人数が減ったわが家も、アンペア数を下げる提案をしました。もしブレーカーが落ちたら、使用中の電気製品のどれかのスイッチを切り、ブレーカースイッチを入れれば普通に使えることを伝え説得。まずは、一段階ダウンの40Aから試してみることにしました。基本料金も300円ほど下がりましたよ。
 アンペアを下げてから1年以上になりますが、ブレーカーが落ちたことはありません。そろそろ30Aに下げることを提案したいと思っています。
小森裕美 一覧へ
「エネルギー」
 私たちは毎日の生活において、さまざまな形でエネルギーを消費しています。私は自分の家庭でどのくらいのエネルギーを消費しているのか、さらにそこからどのくらいの二酸化炭素が排出されているのかを知りたくて、約10年前から電気、ガス、水道、ガソリン、灯油などの使用量を毎月記録し始めました。
 記録していくうちに、毎月の使用量と二酸化炭素の排出量が気になり、もう少し減らせないかと考えるようになりました。そこで、私が実践し始めた日常生活のちょっとした省エネをご紹介します。
 @毎日の生活の中で、使用していない電気製品はプラグを抜く。A冷蔵庫の設定温度を強≠ゥら中≠ノ変更。B炊飯器の保温をやめ、炊きあがったご飯を冷蔵庫や冷凍庫で保存し、食べる時にレンジで温める。C電気ポットは使用せず、必要な時、必要な量を沸かす。D夏場は日よけカーテンを利用した割と涼しい部屋で過ごし、冷房は、来客の時だけ使用。E掃除機は月に2回程度で、普段はほうきやモップを使う。F洗濯はまとめ洗いで、風呂の残り湯を使う。庭にもまく。G油を使った鍋は、小さく切った古布で油を拭き取ってから洗う。Hアクリルたわしを使う。(アクリルたわしで洗うと、きれいに落ち、水の量も少なくて済みます)。I食器洗いには米のとぎ汁を使い、川を汚さないよう、排水溝に流さず植木
にかける。ちょっとしたことですが、意外と実践できるものがありますよね。
 日常的に取り組んでいると、いつのまにか当たり前になっていきます。同時に、毎月のエネルギー使用量と二酸化炭素の排出量が、わずかずつですが減っていきました。家庭からの二酸化炭素の排出量の多くは、電気の使用によるもので、排出量全体の約2分の1と言われています。
 子や孫たちのために美しい地球を残していきたい―と願いながら、生活の仕方を見直し、実践しています。あなたもできることから始めてみませんか。
宮田スミ子 一覧へ
「お日さまの熱利用」 我が家では昨年屋根に取り付けた「太陽熱温水器」の温水を利用して入浴を楽しんでいます。これまでプロパンガスで沸かしていたのですが、入浴時間がまちまちだった為、入浴のたびに沸かしていました。そのため1ヶ月のガス代が8000円〜13000円程かかり、極端に寒い月は15000円にもなりました。我が家のガス代支出の約50%を占めていたのです。ガス代をもう少し安くできないかと思案していた時、新聞記事で「宮崎市太陽熱利用システム設置費補助金制度」を知りました。早速手続きし、設置しました。温水器は、2畳ほどの大きさで湯量は250リットルの一般的なタイプです。お日さまがカンカン照っている日の温度は約60度でちょっと熱いくらいのお湯になります。雨の日でも水道水より10度ほど温かくなっています。冬場の寒い時期には多少追いだきをしますが太陽熱で熱せられた温かいお湯ですからすぐ適温になります。8月〜10月半ばまではほとんどガスを使わずにお風呂に入れます。その結果ガス代は月2000円〜3000円程度安くなりました。
太陽熱温水器は太陽熱エネルギーの45%〜60%を利用できる優れものです。設置コストも安く、地球に優しいエネルギー利用の優等生ですね。「宮崎市太陽熱利用システム設置費補助金制度」については、宮崎市環境保全課(0985-21-1761)にお訊ねください。
鈴木莞爾 一覧へ
「食から考える」
 アメリカを訪問している「ローマ法王フランシスコ」は今月24日の演説で「地球温暖化は、人間の活動による環境悪化の深刻な影響である」と明言し、温暖化を防ぐために勇気と責任ある取り組みを呼びかけました。
 温暖化対策として、今までは温暖化の進行を食い止める緩和策(どうすれば二酸化炭素を削減できるか)に主点をおいた取り組みでした。これからは、自然や人間社会の在り方を調整するという適応策も重要とされていきます。ただ私たち一人一人にできることは、足元から。二酸化炭素を削減する緩和策への取り組みです。難しく考えず、節約をして家族みんなのお小遣いを増やそうと考えながら取り組めば、楽しく実践できることは意外とあるものです。
 ある団体が今年の事業の中で、「食」をキーワードにした、二酸化炭素の削減取り組み委員会を立ち上げました。食料の購入に関してだけでも、「買い物へ行く手段(歩行、自転車、車)を行き先や買う物に応じて変更する。マイバックを持参する。農産物の産地や旬を考え、必要なものを必要な量だけ買う。買って来たものの保存法を考える(冷蔵庫に入れるか入れないか)。野菜の皮は洗う前に剥ぎ、水を付けない」など数多くの意見が出ました。
 冷蔵庫内に物を詰め込まず冷気の通りを良くするだけで、二酸化炭素は25・4kgの削減され年間1400円の節約。電子レンジを使用して料理の下ごしらえすれば、ロールキャベツのキャベツやポテトサラダのジャガイモなど水っぽくならず、栄養分も流れ出ずおいしく出来上がるし、12・9??の削減、年間900円の節約になります。煮込み料理は、ガスなどで沸騰させた後、新聞紙やバスタオル、保温用のグッズでくるんでおくだけで夕方には完成しているというアイデアも。
 食事後の片付けでは、食器類は重ねない。汚れのひどいものは不要になった布切れなどで先に拭いておく…などなど。
 さあ! みなさん、今日からできることみつかりましたか?
詠田トキ子 一覧へ
「エコドライブ」
 都会に住む人にとって、駅まで10〜20分ほど歩くのは普通です。しかし宮崎ではどうでしょうか。10分くらいかかると分かっている場所まで、歩いて行きますか?
 私は近所に行くとき、できるだけ自動車を使わず、歩きか自転車にしています。これは、エコだけでなく健康のためにもなるからです。でも、都会と比較して交通の便の事情などにより、宮崎では自動車は不可欠な存在です。だから運転するときには、エコドライブを実践しています。
 夏場に車内でエアコンを付けると、エンジンの回転が速くなり、燃費が落ちます。また外気温との差が大きく、車外に出たときに体への負担が結構あるので、雨の日以外は、窓を開けて自然の風を感じて走っていました。気分爽快で、降りたときに眼鏡も曇らず快適に過ごせましたよ。その他、エコドライブで心掛けていることがいくつかあります。
 急発進・急加速を避けアクセルをゆっくり踏み込む「ふんわりアクセル」や、車間距離に余裕を持って運転。距離を保つことで、前方の様子もよく分かり、アクセルから早めに足を離し徐々に減速、急ブレーキを避けられます。また走行中は、できるだけ速度変化の少ない運転をしています。タコメーターのない車の私は、エンジン音を聞き一定の音の高さになるようにしています。
 最近の車にはアイドリングストップ機能が付いているものもあって便利になりましたね。付いていない私は、車体への負担も考えて30秒以上の赤信号と分かっているときにアイドリングストップしています。アイドリングストップは5秒〜10秒以上の停車する場合に燃料の節約になると言われています。また燃費は、荷物の重さにも大きく影響されます。必要のない荷物は、下ろすようにしています。
 自分の車の燃費を把握すると、エコドライブも実感できますよ。エコドライブは、燃費の良さだけでなく交通安全にも結び付くところがあります。皆さんもぜひ実践してみてはいかがですか。
小森裕美 一覧へ
「私の歩み」上
 私は1943(昭和18)年生まれの72歳です。太平洋戦争の真っ最中に生まれたので、一般物資の生産や入手が低下、困難な中での子育てに、母も苦労したことでしょう。終戦時は2歳。物資不足とハイパーインフレの嵐の中、毎日食べるだけで精いっぱいの生活でした。配給物のカライモをもらって、生のまま食べたものです。
 小学校時代は、現在のような格差の開きはあまり無く、一億総貧困の時代。ほとんどの子どもは、つぎはぎだらけの衣類を身に付け、はだしで仲良く遊んでいました。物が無くて当たり前、衣類は修繕、生活用品は修理をして使ったものです。
 中学校時代になって、ようやく物資が手に入るようになりました。でも小さい頃から物を大事にすることをすり込まれていたせいか、リサイクルは当たり前。新製品が出回ってもそんなに欲しいとは思いませんでした。
 高校に入る頃には、世の中はすっかり落ち着き、物は潤沢に出回っていましたが、私自身は寮生活で「究極のエコ生活」を送っていました。6畳一間に4人。消灯時間には電気を消し、洗濯は、洗濯板。夏はうちわに冬は湯たんぽ、質素な三度の食事も自然と「楽しいエコ生活」でした。
 社会人となった頃には高度成長期となり、物があふれてきます。食料も海外から安く輸入し、米の消費量が減り、いつの間にかあまった食べ物を簡単に捨てるような恐ろしい時代に。そんなとき、ケニア出身の女性環境保護活動家・ワンガリ・マータイさんが発言した「モッタイナイ」。日本人が古くから使っている言葉の意味、大切さを逆に教わったような気がしました。
 もともと物を大事にすることは、戦中戦後だけでなく、誰しもが幼少の頃から教えられています。「もったいない精神」は、あなたのどこかにも、たぶんあります。
 私は現在の消費の海に流されぬよう、毎日気をつけています。次回は、そんなエコ人生を歩んできた私の「現在のエコ生活」をご紹介しましょう。
内田義孝 一覧へ
「私の歩み」下
 私のエコは自然と身に付いたものがほとんどで、それにプラスしいろいろな方から学んだことを応用しています。現在の私のもったいない∞物は大切に∞無駄な物は買わない≠基本理念としたエコ生活をご紹介します。
 @70歳になる前に、老後の生活を考え、火を使わない台所にリフォームしました。ささやかな「オール電化・給湯システム」です。電気料金は若干高くなりましたが、ガスを使用しなくなった分、燃料費は結果的に安くなりました。電気も割高な日中の時間帯の使用は、極力控えるようにしています。わが家は比較的風通しがいいので、暑い夏の盛りでもエアコンはほとんど使用せず、扇風機でしのげました。
 A太陽熱温水器の利用です。日照時間の長い宮崎で、太陽熱温水器にしないのはもったいないと思います。日によっては、太陽の恩恵がないこともありますが、冬でも晴天の日は十分利用できます。
 B水は、井戸の周りにバケツや発泡スチロール箱などを置き、雨水をためて畑にまきます。夏のボウフラ駆除、対策にもなりましたよ。
 C生ごみ処理機も宮崎市の補助を受け、利用中。処理後は、堆肥として家庭菜園で使用すると、実のなりがいい気がします。
 Dごみ分別はしっかりします。再生可能な空き缶・ビン類・金属類・プラスチック類・新聞紙など、しっかり分けて所定の場所に出します。分別が不十分な場合には処理場の仕事が増えてしまいます。
 E草や野菜くずは、敷地内の草を刈った後、野積みして堆肥に仕上げます。
 私の思いつくままエコロジー生活を記してみました。エコロジー(環境保護)が行き過ぎるとエコノミー(経済)が停滞してしまいます。兼ね合いが難しいところですね。「もったいない精神」を維持しつつ、3度の食事をきれいに平らげ、健康に暮らすのが本当のエコ生活だと思って、これからも無理なく実践していきます。
内田義孝 一覧へ
「子どもたちの反応」上   宮崎市内の小学校で、ゴミ減量のワークショップ「5R学習事業〜お買い物ゲーム」を行っています。体験した子どもたちの感想を紹介します。
 @今日学んだことはとても勉強になったのでむだにならないようにいかしていきたいと思います。そしてこれから私はやっていこうと思ったことが3つあります。1つ目は、出かける時は飲み物は買わずに、水とうを持って行くことです。2つ目は、ごはんをのこさないことです。3つ目は、お買い物に行く時はマイバックを利用することです。
 A私はゴミをかたずけるのにお金がいっぱいかかるのを知りませんでした。パネルシアターでお金がかるのがよくわかりました。これからは、5Rをとくにがんばります。あとは、飲み物がこぼれた時などは、ティッシュじゃなく、台ふきでふきたいと思いました。
 Bおもしろかったのはお買い物ゲームです。1回目は111個のゴミがありました。2回目は40個で、へらしたゴミの量は71個でした。工夫して買い物をすることでゴミをへらしたりと地球にやさしいことになると気がつきました。
 C僕は小さいものを1個買う時は「シールでいいです」といったり、シャンプーや洗剤は詰め替えにして、着れなくなった洋服はいとこにあげてゴミをへらす工夫をします。
 ワークショップの内容については、次回以降にご紹介します。
詠田トキ子 一覧へ
「子どもたちの反応」下  5R学習では、ごみの減量だけでなく、買い物の仕方やお金の大切さも学習しています。感想を読んでいると、子どもたちの実践力、学習力のすごさを感じます。
 @5Rがどんなに大切かが分かりました。1日のごみの量が教室の8こ分なんて初めて知りました。1日のごみを処理するお金が1000万円なんてびっくりしました。お買い物ゲームでは、なるべくごみがでないように工夫して、買い物をするのが楽しかったです。商品が本物みたいでびっくりしました。1回目の買い物より、2回目の買い物をしたときの方がごみが少なくなりました。工夫して買うことが大事だと知りました。これからは、ごみを処理するために1日にかかるお金、1000万をもっと、もっとへらすために、ごみをへらすようにしたいです。また、すぐに物をすてないで最後まで使おうと思います。
 A今度からはマイバッグをもってお店に行こうと思いました。そして、今までは母がマイバッグを持って行っていたけれど、ぼくは「別に、レジ袋をもらえばいいのに」と思っていました。でもみやざきエコの会のみなさんのお話を聞いて、ぼくはリデュースができていないので、むだな物を買わない、もらわないようにしたいです。そして、物を大事にしたいです。
 子どもたちは、素直に応えてくれます。では、次回は「5R学習事業」を、紹介したいと思います。
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「こども5R学習事業」上  「お買い物ゲーム」は沖縄県の「リサイクル運動市民の会」が開発したプログラムです。これをモデルに平成22年度から宮崎市内でも小学生を対象にごみへの理解を深めるため始めました。実践時間は2校時分と休憩含めて100分間です。スタッフはファシリテーター1人、店長1人、店員3人の計5人で行います。1クラスを六つの班編成にします。100分間についての進行はすべてファシリテーターが行います。
 まず、疑似商品の展示物の紹介、スタッフの紹介、ルールの説明、注意事項を伝え、1500ポン(お金)とカゴを渡し、疑似商品等が並んだ「みやエコスーパー」で買い物スタートです。
 制限時間は10分間で買い物をしてレジで計算、おつりと商品を持って席に戻るまでです。各班ごとにおつりを発表します。この後、家庭から出されるごみの種類、行き先、処理方法、処理時に気をつけていることなどを、パネルシアターを用いながら話し、さらに宮崎市のごみの量、経費なども説明していきます。ここまでが前半、休憩をはさみ、後半はごみを減らすキーワード「5R」について説明し、ごみ減らしのアイデアを発表してもらいます。
 この後にもう一度、同じルールで買い物をしてもらい、1回目とごみがどの程度違ったかなどについてみんなで考え、最後に「ふりかえりシート」に感じたことを記入してもらって終了となります。
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「こども5R学習事業」下
 宮崎市は、平成6年から21年まで、子どもたち向けに、ごみ問題や環境問題について考える機会を提供する「こどもごみ会議」を開催しました。
市内の小学生が事例発表などを行い、ごみに対する意識の高揚を図り、学校や家庭でのごみの減量やリサイクルに対する取り組みを定着させるというものです。
 みやざきエコの会も平成15年ごろから、パネルディスカッションの進行や全体進行、講演など「こどもごみ会議」に関わらせていただきました。関わって感じたことは、もっともっと多くの子どもたちに参加してもらいたいということと、どれだけごみについて理解してもらえたかなということでした。
 当時の担当者が、「もっとたくさんの子どもたちが、直接ごみについて理解してもらえるようなことはできないか」ということで着目したのが、沖縄県那覇市が行っている「お買い物ゲーム」でした。これをモデルとして宮崎市では平成22年から実施されるようになったのです。
 実践まで平たんな道のりではなく、毎週のように研修を行い、厳しい意見が飛び交いました。みやざきエコの会にとって、とても貴重な試練の年でした。この結果「5R学習事業」が素晴らしいものに完成されたと思っています。子どもたちの学びのために大人も学ぶ。5R学習が多くの地域で実践され、ゴミ減量について考える機会が増えればいいなと思います。
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「ドイツでの学び」上  先週までお伝えした「こども5R学習事業」。エコの会がさまざまな難題をクリアしながら、この事業に取り組んだのは、宮崎市が平成14年から5年間実施した、「ごみ問題海外研修事業」が根底にあります。この事業は宮崎市民を環境先進国ドイツに派遣し、ドイツのごみ事情について学ぶことにより、環境問題等について認識を深めるとともにごみ減量の啓発につとめることを目的とした事業でした。
 「研修させていただいた還元しなくては」と事後研修での会員の熱い思いが、平成15年に「宮崎エコ会議」を立ち上げました。さまざまな事業に会員全員で取り組み、「宮崎エコ会議」設立から5年後の平成20年にNPO法人「みやざきエコの会」を設立しました。
 私は第1期生としてドイツに行き、2泊3日のホームステイで、ドイツの市民生活に触れました。さすがドイツです。どこの街に行っても、ごみひとつ落ちていません。洗濯は毎日しません。室内の電灯は暗く、ベットのそばにはスポットライト、テレビはありませんでした。ピーラーでむかれた野菜などの皮は、庭に埋め堆肥にする。ごみはほとんど出ない家庭でした。また、ごみは、税金だけで処理するのではなく、処理困難な容器類は各自で処理費を負担しなくてはなりません。
 ドイツ訪問から10年以上たちましたが、次回はドイツ訪問した会員の声をお伝えしようと思います。
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「ドイツでの学び」下  ドイツの都市は、森の中に街を造ったような緑豊かな景観が維持されています。家々の窓辺はレースのカーテンやフラワーポットなどで飾られ、外見もとても美しく潤いが感じられます。芝生もきちんと手入れされ、植栽し剪定(せんてい)された成長した樹木も大切に手入れがいきとどいていました。
 ホームステイしたエアランゲン市は市民が剪定した枝や葉、枯れた草花などを露天の「剪定枝堆肥工場」で自然発酵させ、堆肥として利用していました。もちろん、町中の街路樹等の剪定枝も全てここで堆肥として処理されます。この工場は、化学物質を一切使わずに自然界の発酵菌を活用して堆肥にしています。工場内に持ち込まれた剪定枝や葉などは、積み上げて乾燥、機械で細かく裁断され山のように野積みされています。この固まりからは自然発酵による蒸気がもうもうと立ち上り、温度計は約60度を指していました。これをさらに細かくしながら、約3カ月ほどで堆肥になるのだそうです。
 市民が持ち込む剪定枝は一定の量までは無料で受け入れ、超えた分は有料となりますが、家庭や街並みの剪定枝の量は、年間ではかなりの量になるそうです。この自然発酵のバイオ技術を活用した剪定枝堆肥が、豊かな土壌を生み樹木を成長させ、緑豊かな自然環境を醸し出しているのだと思いました。出来上がった堆肥は、格安で市民に提供されています。
鈴木莞爾 一覧へ
「ドイツの生活」  宮崎市の「ごみ問題海外研修」に参加したのは平成17年度の第4期生としてでした。初めての海外で、ドイツのフランクフルトからエアランゲン市へ向かう車窓の眺めは、絵本の中にいるようです。看板もなく、赤瓦の屋根に緑が深い!
 ホストファミリーに温かく迎えられ、キャンドルのほんのりとしたともしび≠フ中での夕食。テレビはなく静かな音楽を聴きながら、ゆったりと流れる時を味わいました。食後は自然と家族が動き始め、片付けが始まります。ペーパーナプキンなどは繰り返し使用されていて、物を大事にする習慣が小学生の子供にもしっかり身についていると感じました。食器は一日分まとめ洗いができる大型の食洗機が使われ、日本とは違う小さな流し台に驚きました。
 土、日は、ほとんどのスーパーが休みです。買い物は、リュックサック。繰り返し使われている数枚のビニール袋とシール容器を入れて出掛けます。スーパーにはパック入りの野菜や袋詰めの果物は見当たりません。バラ売りで好きな分だけ買えるのです。ジャムなどはプラスチック容器ではなく瓶入り。肉は量り売りで、計量後、持参したシール容器に移して持ち帰ります。レジの横にはデポジット制の瓶やペットボトルを回収するボックスがあり、買ったお店で換金できる仕組みになっていました。
 ごみを出さない暮らし≠ェ徹底されていることに驚きました。
森末富子 一覧へ
「最先端ドイツ」  10年前、ごみ研修団としてホームステイしたドイツで、食後の台所にびっくり。生ごみは、ほとんど出なかったのです。食生活に違いはあるものの、日本のように毎回の食事ごとに調理をせず、買ってきたパンやハム、果物がそのまま食卓に出され、残ったら次の日もそれを食べるのです。
 部屋には、ごみ箱もありません。どうしようと思った私は、自分の荷物に入れました。ドイツでは出たゴミをどうするか≠ナはなく、どうしたらゴミが出ないか≠工夫しています。手の届くところにゴミ箱がなかったことも納得。ドイツ訪問は、現在の私の生活だけでなく、生き方にも大きな影響を与えています。
 訪問当時、ソーラー設置は日本より進んでいて、公共の施設の屋上には市民一人ひとりが出資したパネルが市民ソーラー発電所≠ニして稼働していました。さらに、太陽の動きに合わせてパネルが移動するなど、太陽光を満遍なく活用する姿勢に感動しました。また、畑の真ん中の最終処分場は数年たつと小高い丘のようになります。その真ん中にパイプを入れ、中で発生するメタンガスを取り出し、近隣住宅へエネルギーとして供給されていました。
 「こども5R学習事業」で、ドイツの家庭のことや学校での過ごし方などを伝えると、目をキラキラさせて聞いてくれます。ドイツでの学びは5R学習を進めるうえでも、とても役にたっています。
日栄子 一覧へ
「ラクラクお掃除」  師走に入り何だか忙しく感じるこの頃ですが、皆様年末の支度は如何でしょうか?
やはり大掃除など今年の区切りはつけたいものですね。私が嫌なのが、キッチンの換気扇の掃除です。今年は早めに済ませましたよ!廃油石鹸とアクリルたわしで楽々でした。
 準備は廃油石鹸、アクリルたわし、古い布(タオルやTシャツなどいらない布)、ビニール袋。
あまり油がひどくないようなら、アクリルたわしをお湯で湿らせ、換気扇の羽根やカバーの部分を拭きます。これだけできれいに油分は取れます。その後いらない布などで拭き上げておしまいです。
 もし、油汚れがひどいようなら、ビニール袋を流しに置き、汚れた羽根を入れ、60℃位のお湯を注ぎます。廃油石鹸を濃い目に溶かして入れます。口を輪ゴムで止めて1時間ほど放置します。時間が来たら角の方をハサミで切り、汚れた水を捨てます。袋を開け、古い布で柔らかくなった油汚れをふき取ります。その後で、アクリルたわしに廃油石鹸を付け、お湯で洗います。さっぱりきれいになりますよ。
 廃油石鹸は日頃から液体にして用意して置くと便利です。キッチン周り、洗面所、お風呂場そしてトイレなど全てに使えます。ペットボトルに濃い目に作って置き、アクリルたわしで落ちない所に使います。是非お試しください、
森末富子 一覧へ
「買い物時には」
 今月は地球温暖化防止月間でした。県地球温暖化防止活動推進センターの話を紹介します。
 13日、フランス・パリで開催されていたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)が閉幕しました。産業革命前からの地球の平均気温上昇を「1・5℃未満」に抑え、全世界がクリーンエネルギーへのシフトチェンジを迅速に進めることに合意した内容となっています。そんな世界的な動きの一方で、私たちは身近な暮らしの中での温暖化防止に取り組み続けていくことが求められています。
 温暖化防止に取り組む上で、余地がある分野として「環境に良い商品を選択して購入する」というものがあります。商品にはさまざまなラベルが付いており、その中には「環境ラベル」と呼ばれるものもあります。企業努力などで製品から排出されるCO2(二酸化炭素)の量を減らしていることや、再利用の原料を使用していることなどが示されています。しかし、その存在や意味が浸透していないのが現状です。
 先月、宮崎県内の企業4社が連携して「どんぐりポイント」の周知販売会が行われました。「どんぐりポイント」は環境に良い商品の目印。企業や団体が製造過程で排出される温室効果ガス排出量を実質的にゼロにすることで、地球温暖化防止に貢献している商品として国の認証を受けたものに付いており、これを購入することで消費者もエコ活動に参加していることとなります。イベントは5日間あり、約2500人が来場、3万8355ポイントが「NPO法人どんぐり1000年の森をつくる会」に寄付されました。どんぐりの苗木76本分に相当し、来年植樹も予定されています。
 現在、環境省では「COOL CHOICE」キャンペーンを掲げ、温暖化防止のために「賢い選択」を行うよう呼び掛けています。買い物の際は商品のラベルにも注目していきましょう。一人一人の消費行動が社会を変える大きな可能性を秘めています。
詠田トキ子 一覧へ
「環境教育は学校から」  環境先進国と言われるドイツでは、1971(昭和46)年に環境教育の必要性を打ち出し、学習指導計画に入れました。さまざまな環境教育モデルを作り、低学年のうちから徹底した環境意識の向上を図ってきました。
 十年ほど前に訪ねたエアランゲン市のある小学校では、週に2回、環境ボランティアが学校に出向きクイズ形式で分別の仕方を教えていました。また、再生紙のノートが奨励され、消しゴムや筆記道具も自然素材のものを使用、校庭には4種類の分別ごみ箱が設置してあるなど環境を意識されていました。
 中学や高校では、専門の指導員が先生や生徒とアクションプランを作り、それにより省エネで節約できた金額の50%を学校に返金するシステムなどもありました。また生徒自身が環境美化や水に関するエコ提案をし、エネルギーに関する生徒代表が学校側と協議、その後実行に移すという環境教育が実践されていました。このようなプロジェクトをから、子供たち自身が環境に良いことを選択することで、自分たちが恩恵を受けられるというシステムが確立されているのです。
 環境教育は総合的な意識の中から生まれてくるもので、意識改革の努力をねばり強く続けて行かねばならないと強く思いました。エアランゲンのビオトープを視察した際、「自然を愛する子どもは、決してごみを捨てない」と語った指導員の言葉が今でも忘れられません。
日信行 一覧へ
「アサギマダラから考える」  アサギマダラ≠ヘ、夏は北上、冬は南下と日本列島を旅するチョウとして知られています。どこからどこまでを旅しているのかを調べるため、全国でアサギマダラの翅(はね)に記号を書いた1万頭を超える個体を調査した結果があります。1000`b近くを2カ月以上かけて、中には1週間ぐらいで移動するものがいることも分かりました。
 植物から動物まですべての生き物が、お互いに何かしら関わり合いながら子孫をつないでいます。どれか一つでもなくなると、ドミノ倒しのように影響が広まります。生き物は土、水、空気、太陽のおかげで延々と命をつないできましたが、それぞれが昔と大きく変化しています。人間の存続に関わるところまで来ている環境問題≠ナす。
 昆虫の観察を続けていると、多くの変化に人間の関わりが見られます。人間の判断基準から「自然のため」や「人間のため」と環境に働きかけたことが、多くの野生生物に、今までの生き方を変えられたものもあります。
 すべての生き物は、自然のきまり≠ゥら逃れられません。すべて自然のきまり≠ノ従って営まれ、生き物は子孫を残していきます。それを人間が地球環境を変えたため生きられなくなったり、数が急激に増え人間との間で問題になったりしています。私たちは、自然の営みに謙虚に五感を傾け、環境問題≠ノ積極的に向き合っていきたいと思います。
笹岡康則 一覧へ
「トンボ池」  宮崎市の中心部から国道10号線を北上し新名爪から西都方面へ少しいくと、萩の台公園の道路標識があります。ここを左折して坂道を登ると萩の台公園です。ここは、「萩の台埋立(うめたて)処分場」の跡地利用が促進され、10年前に、「萩の台公園」として、野球場・サッカー場・遊園地などができました。この公園の一角に「トンボ池」というビオトープがあります。
 ビオトープとは「生物群集が生育、生息できる場所」のこと。生き物は一定の環境を整えておくと、周辺からその環境で生活できる生物たちが住みつくようになります。
 トンボ池には自然の山水を引き、池とその周辺の湿地が潤され、周辺の里地里山(さとやま)の生き物が住みついています。あまり目にすることがなくなった生き物を、身近に観察することもできます。特にトンボは、大きいギンヤンマから小さなイトトンボの仲間まて約20種類も生息しています。昨夏はチョウトンボが大発生し、見事な景観でした。
 水中にはメダカ、ドジョウ、ゲンゴロウの仲間などを見付けることができます。冬は多くの種類のヤゴ(トンボの幼虫)も。周辺の草むらにはカエル、バッタ、クモ類がいて、野鳥もえさ取りにやってきます。ヨシ、マコモ、ヒメガマ等など湿地に生える植物から、小さな食虫植物のミミカキグサまで見られ、萩の台公園は貴重な環境教育の場となっています。
金丸文昭 一覧へ
「生涯継続」  みやざきエコの会が運営を受託している県環境情報センターは、1992年リオデジャネイロで開催された「国連環境開発会議〜地球サミット」の前年8月に開設しました。このサミットをきっかけに世界中の多くの人たちが環境問題へ関心を持ったのは事実でしょう。
 本県は国際的な会議に先駆け、県民の皆さんに環境問題の理解や環境保全の取り組みを進めてもらいたいとの趣旨で、同センターを設置しました。現在は、県立図書館1階ギャラリー「みんなのエコひろば」で、環境情報の提供を行っています。
 センター活動はさまざまです。その中でも95年に講演やコーディネーターを務めた「綾町女性の集い」では、「川上に住む者のつとめとして、川下にきれいな水を送りましょう」という内容から「綾町水を守る会」が設立され、取り組みへのアドバイスなどをしてきました。活動は継続中で、24日に行われた「第23回綾町女性の集い」で、私にとっては取り組み20年目となる講演をさせていただきました。今まで関わった多くの方を思い出し、涙腺が緩み慌てました。
 継続は力なり―。同会と同センターへの関わりを重ね合わせ、多くの人たちに支えられここまでこれたのだと感謝でいっぱいです。
 エコライフの取り組みは「へえーっ、私でもできる」ということが多かったのではありませんか。生涯継続していきましょう。
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